公園にゴミ焼却場「反対」 自然の宝庫・野川公園、ICUが都に
1989.10.06 東京朝刊 30頁 社会 写図有 (全945字) 

 武蔵野の自然豊かな東京都立野川公園(三鷹市大沢六)内にゴミ清掃工場を建設する計画が浮上、隣接する国際基督教大学(ICU)が「反対」を決め、六日午前、渡辺保学長らが鈴木俊一都知事に抗議文を提出する。同公園用地はかつて同大が所有し「公園として整備し、中に建造物は造らない」との約束で都に売却したもの。外国人教授も多く国際色豊かな同大は「貴重な自然が壊される」と国連にもアピールする方針。

 このゴミ焼却場建設計画は同公園北側にある二枚橋ゴミ焼却場を移転する形で持ち上がった。

 同焼却場は調布、小金井、府中の三市が共同出資している「二枚橋衛生組合」(管理者・吉尾勝征調布市長)が運営しているが、四十二年完成で老朽化し始め、ゴミ処理能力をアップさせるため、建て替えを計画した。

 ところが、同焼却場の南側に軽飛行機が多数発着する調布飛行場があり、同焼却場が飛行機の進入路下にあるため、現在の煙突の高さ約六十m以上のものが建設出来ない。同組合から相談された都は、野川公園内の移設候補地を示し、組合側もこの夏までにこれを了承した。

 こうした動きを知った同大はビックリ。同大によると、かつてゴルフコースとして使用していた敷地の売却に際し多数の民間会社から購入申し込みがあったが、「公園以外には使わず、自然保護に役立てたい」と申し出た都と大学の意見が合致、大学側は「公園内には建造物を作らない」との条件をつけて昭和五十年に売買契約を結んだという。工場移設計画案は同大には寝耳に水で、学長を先頭に反対行動を決めた。

 同大は、移設計画は、大学と都の合意を踏みにじるもので、自然環境の破壊に反対するとして、とりあえず、都に抗議文を出す。

 三十九万四千平方mに及ぶこの土地に、都はコナラ、アカマツなどを植え、自然公園として整備してきた。園内には野川が流れ、川沿いの湧水にはゲンジボタル、フタスジモンカゲロウなどの珍しい昆虫類、また自然林にはカワセミ、カッコウなど十種類以上の野鳥が生息。

 都は「清掃工場が公園隣接地、公園内に建てられているケースは砧公園(世田谷区)、水元公園(葛飾区)など都内にはいくつも例がある。移設場所は公園内以外には適地がなく、今後、大学、地域住民に納得してもらえるよう十分な話し合いを行いたい」と話している。

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